3 銀行間市場とは何だろう
~銀行間市場では、銀行同士の直取引とブローカーを経由した取引が行われている
◆ 銀行間市場の参加者
銀行間市場は一般にインターバンク市場とも呼ばれますが、先に説明した狭義の外国為替市場を指します。繰り返しになりますが、対顧客市場が小売市場であり、銀行間市場が卸売市場であると考えるとよいと思います。
私たちは銀行から自分たちの意思でない売買を強いられることはありません。たとえば、銀行でドルを円に換えてもらったり、円を持っていってポンドを買うことはできますが、銀行が突然、私たちに「5ドル売ってくれ」と依頼してくることは絶対にありません。
そういう意味で、普通の一般顧客は双方向の取引をしているのではなく、自分たちに都合のよい方向だけの取引をしていることになります。
銀行間市場というのは、自分が買いたくない、あるいは売りたくないときも、「買って欲しい」「売って欲しい」といわれれば、そのクォートを出す、つまり、取引の意思を示すという、基本的な姿勢を維持していく条件のもとでしか参加できないのです。
この銀行間市場で、外国為替相場が時々刻々と決定されていきます。テレビニュースなどで報道されている相場は、この銀行間市場のものです。
◆ 銀行間市場の取引の仕組み
では、銀行間市場での取引の仕組みを簡単に見てみましょう。
銀行間市場では、銀行と銀行が取引を行うわけですが、これには2通りあります。銀行による直取引と、ブローカーを介しての取引です。
① 銀行同士が直接取引を行う(直取引)
直取引(ダイレクト・ディーリング=DD)の場合、まず、A銀行がB銀行を呼び出します。そこで、A銀行はB銀行に為替レートを求めます。B銀行はそれに応じて建て値(レート)を出します。建て値はビッド(買い値)とオファー(売り値)の2つが建てられます。
A銀行は、売りたいと思えば、B銀行の提示したビッドの値で売り、買いたければオファーの値で買うことになります。
A銀行はその建て値で取引することをB銀行に提示すると取引は成立します。A銀行はB銀行が提示した値段が納得できなければ、取引に応じる必要はありませんし、B銀行は成約前に建て値を提示し直すこともできます。
② ブローカーを介して取引を行う
為替ブローカー(人が仲介するブローカーは、従来通り、為替ブローカーと呼ばれます)を介して取引を行う場合は、銀行は売りか買いどちらかの注文をブローカーに出します。そのとき、通貨の種類、希望取引金額、希望レートなどを告げ、取引相手を紹介してもらいます。
ブローカーは、希望条件に合った相手を見つけ、取引を成立させます。
最近は、電子ブローキング(EBS=エレクトロニック・ブローキング・システム)が主流となっています。これは人を介さず通信端末を通してブローキングするものです。