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第4章 外国為替取引の仕組みと構造を知っておこう-8

通貨オプションとは何だろう
~通貨を売買する権利が通貨オプション。買う権利をコール、売る権利をプットと呼ぶ

◆ オプションとは?
 通貨オプションとは通貨を売買する権利のことです。
 ある通貨を買う権利をコールと呼び、売る権利をプットと呼びます。

 ある一定の期日に権利の行使がなされるものをヨーロピアン・タイプ、ある一定の期間内に権利の行使がなされるものをアメリカン・タイプと呼びます。一般的にはヨーロピアン・タイプのものが取引されることが多いようです。
 たとえば、ドルを買う権利はドルコールといいますが、これをドル円レートの例でいうと円プットと同義となります。
 ①ドルコール(円プット)の買い……ドル買い(円売り)をする権利を持つこと。
 ②ドルコール(円プット)の売り……ドル買い(円売り)をする権利を相手に与えること。
 ③ドルプット(円コール)の買い……ドル売り(円買い)をする権利を持つこと。
 ④ドルプット(円コール)の売り……ドル売り(円買い)をする権利を相手に与えること。
 なお、市場では一般に買っている状態をロング、売っている状態をショートといいますが、オプションの場合もそう表現します。
 オプション取引とは権利の売買で、売り手と買い手が存在します。買い手は売り手に対して権利を取得する代わりにプレミアム(オプション料)を支払うことになります。

◆ オプションの価値
 プレミアムはオプションの期日(期間)、オプションの行使価格(ストライク・プライス)、外国為替レートの予想変動率(ボラティリティ)等によって決まるオプションの価値です。

◆ オプション利用の具体例
 プレミアムの算出については専門書に任せるとして、ここでは、具体的な使用方法について1つ例をあげます。
 ある輸出メーカーが米国に輸出しているとします。いま、契約が決まって先渡しで為替予約をすれば、その輸出メーカーは将来の損益を確定することができます。
 しかし、たとえば、大きなプロジェクトの入札などで、入札結果が3ヵ月後にしかわからないとすればどうでしょう。そして、その入札結果発表から半年後、つまり現時点から9ヵ月後に入金があるとします。そうするとこの輸出メーカーは、いまは為替予約ができません。
 というのは、ドル売り予約をしたあと、ドルが上がってしまったのに落札できず、そのプロジェクトが契約にいたらなかったとすると、ドルが上がってしまっているため、安いところで売ったドルを清算しないといけません。
 すなわち、落札できなかったにかかわらず損が発生します。しかも、その損がいくらかは事前にはわかりません。もちろん、ドルが下がっていれば買い戻して益になりますが、それは結果論で、メーカーが本来望んだビジネスではありません。
 そのときに有効なのが、3ヵ月後に期日が来るドルプットのオプションを買うという方法です。そうするとプレミアムを支払うことになりますが、この金額はあらかじめ明らかで、経営判断できるわけですから、これは入札のコストの一部と考えられます。
 受注できなかった場合、ドルが3ヵ月後に上がってしまったときは権利を行使しなければよく、下がってしまったときには権利を行使して利喰ってしまえば益を手にすることができるわけです。
 受注できた場合は、ドルが下がっていても、オプションを行使し、スワップをとって、6ヵ月先に期日を変更(ロールオーバー)することでレートをほぼ当初の予定通りに確定することができます。受注時にスポット・レートが行使価格より高ければ、オプションを行使せず、市場で改めて6ヵ月のフォワード・レートをとればよいのです。当初予定より有利なレートができあがることになります。
 この一連の流れからわかるように、逆に、企業として目指す採算がとれる9ヵ月後のレートを想定し逆算して、行使価格を決めるとよいということになります。
 はじめに9ヵ月先のドルプットのオプションを買ってもよいのですが、オプションはタイム・バリュー(オプションの期日までの時間が有している価値)が重要で、期間が長いとプレミアムが高くつくので、前述のような方法が一般的です。
 他にも通貨オプションはいろいろな使い道があるのですが、ここでは簡単な例をあげるに留めておきます。

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2007年04月19日 11:13に投稿されたエントリーのページです。

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