2 予測とは何か
予測にはいろいろな手法がありますが、大きくは、投影法、類推法、計量法に分けることができます。投影法は投影して考えていく方法で、類推法は類推して考えていく方法、計量法はこれらの合わせ技になります。以下、それぞれを簡単に説明します。
◆ 投影法
■ タイムシリーズ
タイムシリーズ法には多くのものが含まれますが、要するに、時間とともに変化していく様を考えるのがこの方法です。回帰分析や時系列分析、テクニカル分析の移動平均線などもタイムシリーズ法です。
■ コリレーション法
コリレーション法は相関関係を読む方法です。たとえば、「米国のGDPの成長率がこうなったとき外国為替相場はこのように動いた」いう因果関係が過去にあった場合、「米国のGDPの成長率がこうなったから外国為替相場はこう動くであろう」と考えるのです。
しかし、本当の因果開係というのは、意外にわかっていないことが多いのです。
◆ 類推法
■ クロス・セクション法
クロス・セクション法は時間と空間を超えて似た事例から考える方法です。
たとえば、米国で1人当たりのGDPがいくらになると、米国人は2台目の車を買いはじめるということがわかっていた場合、日本も1人当たりのGDPが米国に追いついたときに、米国で起こったことと同じ現象が起こるかもしれない、と考える方法です。当然、駐車場のスペースの問題や、物価との兼ね合いもありますから一概にはいえませんが。
■ メルクマール法
メルクマール法は先行指標を読む方法です。「今日は夕焼空だから明日の天気はよい」「海風が向こうから吹いているから午後はシケかも」というように、過去の経験則から得られた先行の指標で将来を考えるのが、メルクマール法です。
景気の変化を知りたいのであれば、景気に先行しているような指標を見ておけばよいということになります。たとえば、景気がいいときには設備投資が行われますから、それに先行する指標の機械受注(設備投資のためには工場に機械を据え置くことになるわけで、その機械の発注状況を見れば生産設備の機械が今後作られるのか作られないのかがわかります)の変化を見ていれば、景気の変化を先に知ることができるかもしれません。
逆に、たとえば雇用に関する統計は景気に遅行しやすいと考えられます。
■ デルフォイ法、コントラリー・オピニオン
デルフォイ(古代ギリシャのアポロン神殿のあったところ。未来予測という意味でこの名称がついたと思われます)法は、簡単にいえば「クイズ100人に聞きました」ということを行う方法です。
日本の著名な経済学者100人に「10年後の日本の経済はどうなっていますか」とアンケート調査をして回答をもらいます。そして、各人に残りの99人の回答を見せ、意見を修正するか、そのままでよいのかを確認します。おそらく、次第に99人の意見に引き寄せられていくはずです。この方法を何度か繰り返して、将来は皆のコンセンサス通りになると予測するのがデルフォイ法です。
さて、デルフォイ法の1つにコントラリー・オピニオンがあります。コントラリー・オピニオンとは反対意見と訳されることもあるようですが、逆さまに考えるという意味で、逆張りと訳されることもあります。
たとえば、外国為替ディーラー100人に「ドルは上がりますか、下がりますか」と聞き、100人のうちほとんどの人が上がると答えた場合、おそらくドルは下がります。100人全員が上がると答えた場合には、すでに皆が買った後であり、もう誰も買わないからです。
コントラリー・オピニオンでは、将来は、皆が考えている通りにはならず、逆になると考えます。デルフォイ法と方法は同じですが、結論を反対に使うわけで、ここが相場のおもしろいところでしょうか。
◆ 計量法
■ リニアプログラミング法は
リニアプログラミング法は、一筆書きみたいなものを考えればわかりやすいでしょう。
たとえば、新聞配達をするとき、Aさん宅、Bさん宅、Cさん宅の順に回るのが一番効率的なのか、違う順で回ったほうが効率的なのかということを考えるわけです。Cさん宅前を朝7時に嫌いな犬が散歩するのでどうしようかなどと予測しながら道順を考えなくてはいけません。
■ エコノメトリック法
エコノメトリック法の多くはタイムシリーズ法とコリレーション法を、コンピュータを使って計算する方法です。方程式の数は、景気を予測する場合、4~7本ぐらいが適当だといわれています。これが当たるかというとなかなか当たらないのですが。