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第7章 外国為替相場を予測してみよう-4

4 マーケット予測をするときの注意点

 予測し取引をしていくうえで、意外に大切なのがマーケットと自分との距離感です。それがマーケット予測の際にも、取引の際にも大きく影響するからです。

◆ 思考体系(マーケットの認識)
 自分がマーケットに対してどのような認識をしているのかを自覚しているでしょうか。マーケットはファンダメンタルズで決まる、米国の思惑で決まる、あるいはユダヤの思惑で決まる、などいろいろな考え方がありますが、自分がどのような考え方で予測しているかを明確に意識することは重要です。

◆ 目的の明確化、スタイルの確立
 「どうして、この方針をとったのか」というのが途中で変わってしまうことがあります。自分はテクニカル・アナリストとしてテクニカル分析で買いポジションをとったのに、相場が下がり始めると突然ファンダメンタルズはまだ上がるはずだなど、それまでと違う発想をして自分をごまかしてしまう人がいます。こうしたことが起こるのは、まだマーケットを予測するスタンスが自分でもよくわかっていないからです。自分のスタイルをよく理解していないためにこういうことが起きてくるのです。
 売買するときは、自分が何を思ってそれを売買するのかを記録につけておくことです。

◆ スキル
 スキルを確立しましょう。自分は日計り(日中、短時間で売買すること。デイトレード)に向いていると思うのであれば日計りに徹することです。

◆ リスク許容度の認知
 会社勤めの外国為替ディーラーには会社が与えてくれたリミット(持ち高制限や損失の限度)があります。リミットというのは、何百万ドルまでポジションを持ってよいとか、1日当たり何十万円までなら損を認める、あるいは月間何百万円までなら損が出ても仕方がない(それを超える前に出場停止となる)といったルールです。これは経験年数や上手下手などを勘案して決まるので、人によって違います。
 しかし、会社が与えてくれたリミットは自分のもつ潜在的なリミットとは別です。会社の設定よりももっと下方に自分の水準があるのが普通です。
 ところが、逆のタイプの人もいます。会社がこれだけしか取引してはいけないというのに自分は大丈夫だと思い、問題を引き起こしてしまうタイプです。
 では、逆にもっと小さなリミットでよいと思っていると何が起きるのでしょうか。少額のために冷静な判断を欠くこともあるのです。扱う金額を軽んじる気持ちになってしまうからでしょう。
 たとえば損切りばかりするパターンもこれに当たります。もう耐えられないからと、早々と損切りをしていく。リミットは大きすぎるのは論外にしても、逆に少なすぎるのもダメなのです。

◆ 予測期間の限定
 ついでながら、よくある間違いは予測のタ-ムの確認を怠ることです。他人の意見を聞く場合にも、はっきりとどのくらいの期間の話なのか、タームを聞かないと情報に何の利用価値もなくなってしまうということもあります。
 自分が予測するときも同じです。
 1週間タームでものを考えたのか、1ヵ月タームでものを考えたのか、今日だけの日計りだったのかを確認します。すると往々にして自分自身をごまかしているのがよくわかります。
 向こう何週間の期間を予測したのかを自問しつつ予測をすべきです。

◆ 情報交換
 よい情報収集の仕方、よい予測の立て方の裏技は、よい相場観を持つ人と友達になることです。当たり前すぎる話ですが。
 ダメな人との情報交換は反面教師という以外に意味はありません。

◆ 他人の立場の重視
 高橋亀吉はアダム・スミスになったつもりで社会を観察し、景気や相場を考えましたが、私は日銀総裁になったつもりで考えることにしています。これには2つの意味があります。
 1つは私が日銀の総裁という立場だったら金融政策はこうするだろうという視点です(もちろん、日銀総裁といえども政策委員会の9人のうちの1人、つまり、1票にすぎないのですが)。
 もう1つは私が、現在、日銀総裁をつとめているX氏という人物(個人)だったらどうするかという視点です。立場ばかりでなく、性格までその人物になって想定します。
 日銀の総裁になったつもりというのは2種類あるわけです。
 これはいろんなバリエーションに使えます。私がFRBの議長だったらこうするだろう、自分が尊敬する外国為替ディーラーだったら損切りするだろう……。自分のことだったら、あれやこれやと悩んでパニックに陥るところ、「X氏だったらどうするだろうか」と考えれば比較的冷静に読むことができます。
 何かを予測する場合、動向を眺めるだけでは不十分で、さまざまなしがらみや立場、性格まで考慮し、自分が当事者ならどうするか考える。それだけで予測が的中する可能性は増すと思います。
 相場予測では、実は「タラレバ」という発想も大事なのです。タラレバは、~だっタラ、~すレバ、の意で、もちろん、もともとタラレバとは「あのときに買っていタラ」「売っていレバ」という意味ですから、通常、タラレバはダメだといわれますが、X氏だっタラ……はナンセンスではありません。

◆ 予測の検証
 予測と結果の相違を検証することも大切です。予測の結論としての価格が実現したというだけでは、予測が当たったといわないのは当然です。

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2007年07月26日 12:35に投稿されたエントリーのページです。

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