週明けのドル/円は、先週末に示現した2日連続の同値高値(=121.64円)による「毛抜き天井」(高値行き詰まり)のパターンを踏襲する形で一時120.35円まで下落した。・・・
転換線(日足)が控える120.31円処でひとまず下げ止まったものの、NYクローズで21日平均線(=120.77円処)を下回ったことの意味合いは重要であり、地合いは押し目買いから戻り売りへ転換している。
今週の『森レポート』P.4では、「米国発の波乱の火種、当面のドルの方向性を決定付ける重要な週に!?」とのタイトルで、米株高基調の変調に水を差したサブプライム(信用力の低い個人向けの住宅ローン)のデフォルト急増問題やイラン情勢を巡る地政学的不確実性、さらにコアCPIの上振れが「ゴルディロックス・エコノミー」の前提を揺るがし始めているとの現状を指摘したが、今週は米重要指標の発表が目白押しとなっているだけに持ち高調整や先回り的なドル売りが優勢となっているようだ。
昨日は、グリーンスパン前FRB議長が“景気後退が始まる可能性がある”との不吉な予測を示したことも嫌気され、NYダウは4日連続で最高値を更新した20日を境にして4日続落している。
市場の米金融政策見通しを反映するFFレート先物は金利先安観が一段と進行し、秋口の25bpの利下げを織り込んでいることを示し、米長期金利の指標となる10年債利回りは再び4.63%まで低下している。
こうした状況は、昨年11月から12月初めにかけてみられた米金融資本市場による“利下げ催促の独り相撲”と酷似しており、最終的にはFRB当局の揺るがないインフレ警戒姿勢や底堅い雇用情勢を受けて修正を余儀なくされることになろう。
そもそも、FRBが描いてきた米経済のソフトランディング・シナリオは潜在成長率を下回る持続可能な成長への減速と、インフレ率の低下であり、強過ぎる景気を想定しているわけではない。
したがって、米政策当局者にとっての喫緊の課題は「景気配慮の利下げ」ではなく「インフレ抑止」であり、最大の懸念は予想通りにインフレが低下しないことである。
事実、21日に公表された1月のFOMC議事録は「メンバー全員がインフレが予想通りに鈍化しないリスクを引き続き最大の懸念事項であるとの見解で一致した」と書いている。
今週は米住宅関連指標やFRBが注視するインフレ指標、下方修正が必至のGDP改定値、重要先行指標のISM製造業景気指数など注目度の高い指標の発表が目白押しとなっており、利下げ催促の動きからドル売りが強まる局面も想定されよう。
一方で、米金融当局者の講演も相次ぐ予定となっており、市場の過度な利下げ期待をけん制するタカ派的な発言が繰り返されることになろう。
(⇒米長期金利の適度な低下は住宅ローン市場の安定に寄与するものの、一方的な利下げ催促相場には歯止めを掛ける必要がある)
さらに、世界的な景気拡大とカネ余り、そして市場ボラティリティーの低位安定というマーケットを取り巻く環境が、持ち高調整以上の動きを自制すると同時に、膨大な待機資金が押し目買い的な安値拾いに動くため、基軸通貨ドルの下値も限定的となってこよう。







