« 世界のファンドマネジャーのスタンスは!? | メイン | 市場のテーマと注目点<2007年2月第4週> »

相場材料は連鎖する!?

昨日は東京タイムの本邦GDP上振れサプライズに続いて、欧州序盤は英小売売上高の急減ショック、NYタイムでは対米証券投資の大幅減少に続いて米主要経済指標が軒並み予想を下回るネガティブな内容となるなど、円ショート・カバーを誘発する相場材料が相次ぎ、・・・

「同一方向の相場材料は連鎖する」との経験則からくる教訓(トレードチャンスに生かすことができればよいのだが・・・)を再認識させている。
この経験則は1月25日のデイリーコメントでも採り上げたが、筆者のトレードノートには追記した注意書きがあり、それは「金利相場にあっては主要チャートポイントが破られても下げは限定的で追撃売りは短期勝負に留めること」となっている。 これは自らの失敗に基づく経験則であり、主要チャートポイントが破られているにもかかわらず、本来もっと下げるべきところを、世界的なカネ余りを背景とする膨大な待機資金が早々に買い上がるため押し目は比較的浅く、上昇トレンドが継続するというものである。
果たして、この経験則が今回の局面でも通用するかどうか?
昨日のドル/円は、日足チャート上に120.80円から120.30円へギャップを伴って急落しており、早期にこのギャップを埋めない限り、同水準が強固なレジスタンスとなって戻り売り基調が続くことになる。
また、日足均衡表では『転換線』と『基準線』が逆転し、『遅行線』は日々線を一気に下抜けて続落リスクを暗示している。 『遅行線』は同じ時間軸の『転換線』にサポートされ下げ止まっているが、『遅行線』が日々線の下方に位置する限り、基調は「押し目買い」から「戻り売り」に転じているといわざるを得ない。
日足チャート上では122.20円(01/29)と122.05円(02/12)で小勢ダブル・トップを完成しており、教科書的には117.72円処への続落リスクが想定されることになるが、118.94円処(=122.20-【116.71⇒113.45】)で下げ止まることができれば、むしろ押し目買いのチャンスとして捉えていきたい。
冒頭でも述べたように円ショート・カバーを誘発する材料が相次いだが、これをもって大勢での相場トレンドが転換したと判断するには時期尚早であろう。
米財務省が発表した12月の対米長期証券投資状況によれば、ネット買い越し額は156.09億㌦と、前月の848.85億㌦から大幅に減少し、短期国債や株式スワップなどの短期金融資産を含むと、110億㌦の売り越しとなっていたことが明らかになった。
FEDが利上げを休止した8月以降は、米長期金利の低下とともに米株式・債券市場に膨大な資金流入が促されてきたが、12月初めからの米長期金利上昇が逆に資金流入ピッチを抑制する格好になったといえよう。
しかし、FRBが描く米経済の軟着陸シナリオは、適度の景気減速とインフレ圧力緩和という持続可能な経済成長を描いており、当面は利上げも利下げも必要のないファンドマネジャーにとっては良好な市場環境にあることを示している、
したがって、強過ぎる景気指標はむしろ長期金利上昇を促すため、安定資金の流入を阻むことになりかねないが、バーナンキFRB議長の半期議会証言を受けて米長期金利の指標である10年債利回りは4.71%まで低下している。
バーナンキFRB議長は証言で追加利上げの必要性にも言及したが、これはあくまで保険であり、現在の米金融政策は利上げにも利下げにも動けない状況にある。 
この点の解説は改めて採り上げることとするが、身動きの取れない金融政策を補完するのが「強いドル政策」であり、ポールソン米財務長官もバーナンキFRB議長も市場原理に基づく円安を擁護する発言を行っている。
また、G7声明でもう一つの注目テーマであったヘッジファンドの透明性向上についても、ヘッジファンドの監視を強めたいドイツに対し、ポールソン米財務長官は政府の厳しい規制を加えることなく、市場の規律によって対処することが可能との見解を示し、声明は「ヘッジファンドなど国際金融市場の動向は金融システムの効率性に大きく貢献」との書き出しで始まっている。
「円キャリー・トレード悪玉論」は、強いドル政策を志向する米国経済にとっては不要の論理であり、足元の円買い戻しも持ち高調整の範囲内にとどまるとみておきたい。
IMM日本円通貨先物市場の総取組高は、2月12日の371,103枚をピークにして今朝発表された2月14日時点では353,024枚まで減少している。 つまり、G7明けに利益確定の円ショート・カバーに動いていたことになり、今後の焦点は総取組高が出来高を伴って再び増大する局面となる。
様々なマーケット・データをチェックしつつ、潮目の変化を見極めていきたい。


0216.gif

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2007年02月16日 11:53に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「世界のファンドマネジャーのスタンスは!?」です。

次の投稿は「市場のテーマと注目点<2007年2月第4週>」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。