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市場混乱回避の「円安不問」

ドルの総合的な実力を示すFRBインデックス(対主要通貨ベース)は、ついに昨年5月のドル安水準を下方ブレイクし、歴史的な底割れリスクに直面している。
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実効相場の減価はIMF報告が指摘したように米国の貿易赤字縮小に有効となる一方で、コストプッシュ・インフレや長期金利の上昇圧力となってくる。昨日発表された米3月輸入物価指数の上昇はその典型とすることができよう。
 3月のFOMC議事録で明らかになったように、米金融当局は景気減速とインフレ高進の二つのリスクを睨みつつも、インフレが期待通りに鈍化しないリスクが引き続き政策面での最重要の関心事項と述べており、最近のFOMCメンバーの発言でもインフレ率が高止まりするリスクが依然として、成長が過度に減速するリスクより大きいとの認識を示しているほどである。 しかし、住宅市場調整の長期化や企業設備投資が大幅に鈍化する状況下での利上げは困難であり、かといって利下げにも動けない米金融当局にとって重要となってくるのは現状での市場混乱の回避となってくる。 (⇒米株安は逆資産効果により家計を圧迫、個人消費の抑制要因となってくる)
右の3つのチャートは、いずれもG7会議をきっかけとする急激なドル安・円高局面を示したものであり、世界的な株安を伴っていることは記憶に新しい。
(⇒独エッセンG7では、欧州参加者からの非公式な円安けん制発言が日銀の2月利上げを後押する格好となり、時間差を伴って円高・世界同時株安の遠因となった)
これらは、為替市場への“過度の政治介入”がむしろ市場混乱をもたらしてきた事例とすることができよう。
こうした状況下、ワシントンG7で円安やヘッジファンド規制の議論をさらに強めれば、すでに歴史的な安値圏にあるFRBインデックスの底割れリスクを高め、本格的なドル資産離れを助長することになりかねない。
また、急激な円高が進展すれば日銀による“金利正常化プロセス”を大きく遅らせることになり、円キャリー・トレードの温床となっている絶対的な金利差の是正の解決策にはならない。 つまり、現段階での円安けん制はむしろ逆効果という解釈になってくる。
今週11日に伝わった二人の要人コメントは、「ドルの底割れリスク回避」を念頭に置いたものと読むこともできよう。(⇒ポールソン米財務長官は2月のG7前に円相場は開かれた市場で決定されていると明言)
<ジョンソンIMF調査局長>
・日本政府の政策は非常に有効
・円キャリー取引に強引に介入する必要は無い
・円キャリー取引は一部の想定ほど波乱要因にならず
<バーナンキFRB議長>
・円相場の水準は市場の力で決まっている
・中国が外貨準備の構成を劇的に変えようとしている様子はない
・ヘッジファンド問題は現在の緩やかな規制で機能している

今朝のNMS(ニュース・モーニング・サテライト)では、円高論者の先鋒である元為替ディーラー(オオカミオジサン)が6月サミット後の円高(⇒年末には1㌦=102円)を予測していたが、筆者は米政策当局が描く軟着陸シナリオ通りにコアインフレ率が鈍化してくれば、米議会で増幅する保護主義勢力と相俟って為替放置策「ビナインネグレクト(華麗なるドル安黙認)」に傾倒するリスクが高まると考えている。 
それでも、以下のFRBインデックスが示すようにドルの減価が望まれるのは「対主要通貨ベース」ではなく「他の重要貿易相手国ベース」であることは念頭に置いておきたい。
米住宅市場の問題は局地バブル崩壊による調整でもあり、一朝一夕で解決できるものでもなく、引き続き米長期金利の低位安定が重要となり、一部で指摘されるようなドラスティックなドル安は想定しづらいといえよう。 (4月13日 11:00記)


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2007年04月13日 11:18に投稿されたエントリーのページです。

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