ワシントンG7明けのマーケットは、世界同時株高と円安が一段と進展した。
日経平均を除く世界の主要株価指数(終値ベース)は、上海株ショック(02/27)以前の水準を回復、グローバルな投資マネーの復調を示す格好となっている。
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今回のG7声明は、世界経済について「過去30年以上で最も力強い持続的成長」と表現し、スタグフレーション入りの懸念が燻る米経済や、2月のG7で欧州サイドから不快感が示された円安問題には踏み込まなかった。
踏み込む必要がなかったのか、それとも踏み込めなかったのか―――、今週の『森レポート』P.4では「円安不問は危機意識の裏返し」とのタイトルで後者の見方について述べたが、ドルの実効相場(対主要通貨ベース)が史上最安値を連日更新する動きは無視することはできないだろう。
米金融当局者は、インフレ率が高止まりするリスクが依然として成長が過度に減速するリスクより大きいとの認識を示しており、金融政策の軸足はインフレ抑止に置かれている。
つまり、米政策当局の喫緊の課題は景気軟着陸の大前提となるインフレ沈静であり、現状ではインフレを増幅しかねないドル安の回避が重要となっている。 欧州サイドが不満を漏らす円安問題に米国が同調すれば、過去のG7の歴史を振り返るまでもなく急激なドル安・円高は必至でドルの底割れリスクを一気に高めることになり、結果として前回声明を踏襲するにとどまったといえよう。
このことは、保護主義台頭など先行きの波乱要因となってくるが、ドル/円とパラレルに推移しているNYダウは、2月20日に付けた過去最高値まで75.5㌦に迫るなど、足元の米株高(⇒S&P500は6年半ぶりの高値更新)が住宅価格の下落に伴う逆資産効果を補完する役割を担っている。
米株高は強弱混在のマクロ指標ではなく、企業業績などのミクロ指標や世界の過剰流動性(カネ余り)によって支えられており、独主導の2月G7でクローズアップされた「ヘッジファンド規制強化」の議論も米国主導によって大きく後退している。(⇒独が議長国を務める6月サミットへ問題先送り)
こうした世界的な株高を演出する過剰流動性については、資本輸出国(経常黒字のリサイクル)としての役割を担う日本の個人投資家(silent majority)の「貯蓄から投資」の動きも軽視することはできない。
財務省が毎週木曜日に公表する対内・対外証券売買契約状況(週次)によれば、最新データとなる4月第1週の国内投資家による対外証券投資は7,451億円の買い越しと、昨年11月10日以来の水準に急増していたことが明らかになった。
筆者もこの3月には外国株投信(為替ヘッジなし)を積み増したが、対外証券投資のシーズナル・サイクルでは本邦新年度入りの4月から最も活発化する時期を迎えることになる。
今回のG7で結果的に「円安不問」となったことは、「貯蓄から投資」への動きを後押しする可能性も指摘されよう。
こうした投資マネーは、短期リスクマネーと異なって中長期的スタンスによる安定フローであり、キャリー・トレード悪玉論とは区別されるものである。
一方、主要外為証拠金取引業者(大手5社)の「買い率」は、上海株ショック(02/27)後の外貨安・円高局面(03/05)で買い比率を高める一方、04/16時点では買い比率を大きく落としていることが明らかになっている。
例えばユーロ/円の「買い比率」は、03/12時点の76.5%をピークにして、04/16時点では42.5%まで大きく低下しており、ユーロ/円が発足来高値を更新するなかで利益確定に動くと同時に「売り比率(ネガティブ・キャリー)」を高めていることを示している。
このことは、ショート・カバーによる一段高の可能性が残されていると同時に、発足来の高値圏という心理的な高所恐怖症が買いを躊躇させているものの、値頃感や水準感は時間経過とともに麻痺するものであり、押し目待ちに押し目無しの上昇トレンド形成に寄与することになろう。 但し、今週後半からは欧州債の満期償還が相次ぐことやEU非公式財務相会合が開催されるため、スピード調整の可能性は常に念頭に置いておきたい。 (4月17日 11:50記)







