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ドル/円にも飛び火したドル全面安の流れ!?

昨日の為替マーケットにおけるトップニュースは、英3月CPI(消費者物価指数)が前年同月比+3.1%とBOEのインフレ目標(⇒HICPを中長期的に上限2%内に収めることを政策目標とするインフレターゲットを採用)の上限を突破したことであり、市場では次回5月の追加利上げを含む数次の利上げ期待から猛烈な英ポンド買いが膨らみ、GBPUSDは92年9月以来の英ポンド高・ドル安水準へ急伸した。 
(ご参考:HICPはEU基準の調和消費者物価指数で、一般的なCPIと異なり医療費や持ち家コストなどは計算に含まれない。)

これに対して米国では3月のコアCPIが予想を下回る伸びにとどまったほか、鉱工業生産が過去4か月分が全て下方修正される弱い内容となり、金利先安観から米株式・債券が買われる一方、ドルが全面安の展開となった。

(3月の住宅着工件数は上昇したものの4月の悪化が予想され、支援材料にはならなかった)ドルの代表的な実効レートである「FRBインデックス」は連日の最安値更新で、この日はドル/円にもドル安圧力が波及する格好となっている。

米3月のコアCPIは前年同月比+2.5%と、昨年9月の同+2.9%をピークにして鈍化しているものの、FRBが安定圏と考える1-2%の上限をなお大きく上回っている。

フィラデルフィア地区連銀プロッサー総裁は、講演後の会見で3月コアCPIの結果は過去数ヶ月に比べインフレにとって好ましいと述べる一方、この傾向が続くかどうかが重要な問題だとの見解を示している。

にもかかわらず、この日の米債券市場は利下げ観測を背景に米長期金利の指標である10年債利回りが低下(価格は上昇)している。

右表にFRBが描く軟着陸シナリオと3つのリスクシナリオを示したが、足元のドル安と長期金利の低下はむしろインフレ高進を助長する要因となり、最悪のシナリオとされるスタグフレーション入りのリスクを高めることになる。

こうした局面で想定される市場の反応は「トリプル安」であり、米国発の「グローバル・リスク・リダクション」の火種となりかねない。

福井日銀総裁はワシントンG7開催前の会見で、2月末の市場の調整を昨年5月に発生した「グローバル・リスク・リダクション」の第2ラウンドと位置付け、現段階では今回の調整が終わったかどうか確認できないと述べていた。 「グローバル・リスク・リダクション」の第3ラウンドを予感させる気になる発言であり、こうした文脈からは今回のG7声明が(ドル安を助長しかねない)円安問題やヘッジファンド規制に踏み込めなかったと解釈されても仕方がない。

現段階では米株式・債券が堅調であり、何より米長期金利がインフレファイターとしてのFEDに対する信認や世界的なカネ余りによって安定圏で推移しており、トリプル安には至っていない。

しかし、米金融当局がインフレ指標として注視する個人消費支出(PCE)コア価格が前回2月に続いて上振れすれば、FEDに対する信認は一気に揺らぎかねない。 市場が“Behind the curve”(インフレ対応で後手に回る)と判断すれば、容赦ない長期金利の急騰とドルの急落を引き起こすことになる。

これまでFRBインデックスが安値圏に下落する局面では、何らかの「ドル防衛策」が発表されてきた経緯があり、特にポールソン米財務長官の発言には注目しておきたい。

(4月18日 11:25記)


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2007年04月18日 11:45に投稿されたエントリーのページです。

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