昨日のドルは、対ポンドで26年ぶり、対NZドルで22年ぶり、対ユーロで2年4ヶ月ぶりの安値水準へ続落するなど、ドル全面安の流れに拍車が掛かっており、現段階では歯止めが掛かる兆しは見えていない。
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それでもインフレが警戒されているはずの米政策当局者からはドル安を懸念する声は一切聞こえてこない。
米株式市場では、NYダウが5日続伸で過去最高値を更新、より幅広い業種を網羅する主要500社構成のS&P500も6年半ぶりの高値水準を更新している。 これにより、2月末の世界株安以降続いてきたNYダウとドル/円の相関性は崩れ、過去2日間はNYダウの上昇に対してドル/円は下落している。
また、米債券市場は3日続伸(=金利は低下)で長期金利の指標となる10年債利回りは4.656%まで低下しており、日米長期金利差は04/11時点の3.096%をピークにして再び縮小傾向を鮮明にしている。
こうした米金融資本市場の堅調は、足元のドル安が必ずしも“悪いドル安”とみなされていないことの証左でもあり、事実上の為替放置策「ビナインネグレクト(市場任せの相場黙認)」となっているようだ。
米長期金利の低位安定は、インフレファイターとしてのFEDに対する信認でもあり、米金融当局者によって繰り返されるタカ派発言が奏功し始めているといえるかもしれない。
こうしたFEDに対する信認が高まれば、自ずと期待インフレ率も低下することになり、次なる焦点は3月FOMC議事録で「驚くほど弱い」と記した設備投資の行方に移ってくる。
先週末の米紙WSJが掲載した直近のエコノミスト調査によれば、米経済の最大の懸案として挙げられたのは「設備投資の停滞」(37%)であり、「住宅」(20%)と入れ替わっていたことが明らかになった。 確かに、昨日はJPモルガン・チェースが四半期決算で予想を上回る利益を発表し、金融大手のサブプライムモーゲージ問題を巡る懸念が後退し、金融株が軒並み買われている。
福井日銀総裁はワシントンG7会議後の会見で、「設備投資の弱含み」を米景気の新たなダウンサイド要因にならないか、住宅以上に注視したいと語っていたが、こうした観点からは足元のドル安は米製造業にとって利下げに代わる恵みの雨という解釈もできよう。
しかし、現状ではコアインフレの沈静を示す明確なシグナルは得られておらず、実効相場ベースでの広範なドル安は波乱の火種を孕んでいるといえるかもしれない。
昨日のNYダウは最高値更新にもかかわらず、ダウ平均を構成する30銘柄のうち値下がり銘柄数が19と値上がり銘柄数の11を上回っているほか、NYSE(ニューヨーク証券取引所)の出来高は昨年の平均以下にとどまっている点は気掛かりである。
米株式・債券がひとたび下落に転じれば、米国売りを助長しかねない為替放置策「ビナインネグレクト(華麗なる相場黙認)」は修正を余儀なくされることになろう。
昨日4月18日は、ドル/円やクロス円が世界連鎖株安後のボトム(円高)を形成した3月5日から「一期一節(33日目)」に当たる重要な日柄であり、これに合わせる形で軒並み円安修正の円高を示現している。果たして、「一期一節」で示現した円高が目先のボトムとなるのか、それとも「一期二節」まで日柄は延長するのか、米金融資本市場の動向を合わせて注視していきたい。
追伸
本日のコメントでは「日銀の追加利上げ前倒し観測」について書く予定でしたが、この点については改めて採り上げさせていただきます。
(4月19日 11:05記)







