« “Sell in May、 and go away!”(5月に売り抜けろ) | メイン | 市場のテーマと注目点(2007年5月第1週) »

「金利(過剰流動性)相場」と「不均衡是正」

昨日は全面的にドルが買い戻される展開となり、史上最安値を更新していたFRBインデックスも久々に上昇している。 

ユーロ/ドルが発足来高値に迫りながら2日連続で上抜けに失敗し、短期的に積み上げられたユーロロングの持ち高調整が促される格好となったほか、豪ドル、NZドル、加ドル、英ポンドなど非ドル通貨は金融政策に絡む要人発言などで売られる展開となった。
ただ、昨日の場合は全面的な円安も同時進行しており、筆者がメインシナリオとして描くドル急反発とはイメージが異なっている。 つまり、本格的なドルの反動調整が進展する場合には、非ドル通貨の急落が歴史的な円安水準に位置するクロス円の調整も促すとの見立てであり、グローバルなリスク・リダクションの第3ラウンドという位置付けである。
 しかし、これは「金利(過剰流動性)相場」の終焉を意味するものではなく、これまでも節目節目で促されてきた健全な調整と捉える必要があろう。 一部の為替ストラテジストは、2007年後半の市場テーマが「金利相場」から「米経常赤字問題」へ移行するとのシナリオを掲げているが、昨日のコメントで採り上げたように米経常赤字は2002年2月を起点とするドル実効相場の長期的な下落により、縮小に転じているのである。
『ドバイG7』(2003/09)以降の主要議題となってきた「グローバル・インバランス(世界的不均衡)」は、過去30年で最も力強いとされる世界的な景気拡大と過剰流動性(カネ余り)により、米景気減速やドル実効相場の大幅減価に伴う痛みが表面化することなく改善しつつある。 
つまり、「過剰流動性相場」と「不均衡是正」が同時進行しているわけであり、この好循環は世界的な景気拡大やインフレ格差が続く限り「市場のテーマ」となってくる。 しかし、この好循環は“一方向の取引リスク”を拡大するというマイナスのエネルギーを増幅する危険もあり、2月のエッセンG7声明ではこの点に警鐘を鳴らす格好となり、4月のワシントンG7では2月末に発生した世界連鎖株安や円キャリー・トレードの巻き戻しを“健全な調整”と評価しているのである。
そして、こうした好循環をより健全な形で持続させるためには、中国の「景気過熱抑制」や日銀の「金利正常化」が極めて重要となってくる。
今朝発表された3月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くCPI)は、前年比▲0.3と2ヶ月連続のマイナスで、事前予想を上回るマイナス幅となっている。
日銀は2月にCPIが再びマイナスとなる可能性を認識したうえで追加利上げに踏み切っているが、それは「第2の柱」である中長期的な視点でのリスクの点検において「低金利の長期持続という期待が定着する場合の弊害」を念頭に置いて実施されたものである。
また、「バブル期の二つの教訓」である①未然に防ぐ大切さ、②物価安定はCPIの安定を意味しない、が国内問題だけでなく、国際問題として認識されていたといえよう。
本日の金融政策決定会合では、「展望リポート」(経済・物価情勢の展望)により先行きの経済・物価の標準シナリオとリスクシナリオが示される。 「展望リポート」では、景気の動向にあわせて金利正常化を進展させることを前提にしており、「需給ギャップの需要超過が進めば物価は基調的に上がっていく」とのフォワード・ルッキングによりエコノミスト予想よりも高めとなる可能性は念頭に置いておきたい。  
参照:昨年10月の「展望リポート」と今年2月の金融政策決定会合のポイント

(4月27日 11:25記)


0427.gif

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2007年04月27日 12:18に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「“Sell in May、 and go away!”(5月に売り抜けろ)」です。

次の投稿は「市場のテーマと注目点(2007年5月第1週)」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。