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<テクニカル>ドル円 ~年間の高値・安値

マーケット・コメント

2006年11月9日
立正大学 経済学部 教授
林 康史

<テクニカル>ドル円 ~年間の高値・安値

 「年間の動き」について述べておきたい。今年はドル上昇の年だったのか下落の年だったのか、振り返る。
 私は、毎年、年頭に、以下の表を使って、平均1~5のいずれのパターンの年かを考え、過去の年間のレンジから今年の年間のレンジを推定する際の参考とする。

下の表は1977年以来の年間のドル円相場の記録である。

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注1 1977年寄付は1月4日の高値。1985年以前の東京市場中心相場は月中平均12ヵ月分を平均したもの(2001年11月以降は週平均の平均値を使用)。
注2 平均1は過去29年間の平均。平均2は中心相場が前年比+だった13年の平均。平均3は中心相場が前年比-だった16年の平均。平均4は中心相場が前年比+で、かつ、年間の方向がドル高だった8年の平均。平均5は中心相場が前年比-で、かつ、年間の方向がドル安だった10年の平均。
注3 平均1.2.3.4.5の欄の高値・安値は、過去の平均値から算出した2006年の想定高値、安値。
注4 2005年の高値安値は、101円67銭(1月17日)、121円40銭(12月5日)。

 さて、今年の年初、寄付は117.88円であった。そのレートを使って今年のレンジを想定した結果は以下のようなものだった。

★2006年も過去の平均的な年と同じ程度に動くと考えれば、ドルの高値+9.8%・安値-9.7%それぞれに117.88円を掛けて、ドルの高値129.47円、安値106.46円が計算される(平均1)。
★2006年がドル上昇の年だと予想するなら、平均2の欄の比率を使って計算すれば、ドルの高値134.68円、安値109.57円が計算される(平均2)。
★2006年がドル下落の年だと予想するなら、平均3の欄の比率を使って計算すれば、ドルの高値125.23円、安値103.94円が計算される(平均3)。
★2006年が強烈なドル上昇の年だと予想するなら、平均4の欄の比率を使って計算し、ドルの高値138.99円、安値115.73円が計算される(平均4)。
★2006年が強烈なドル下落の年だと予想するなら、平均5の欄の比率を使って計算し、ドルの高値121.42円、安値98.97円が計算される(平均5)。

 上記は予測というより、自分の相場観と自分の予測の整合性の確認に使うことができる。自分の相場観に従ってレンジを想定するために用いるのである。
自分の相場観のチェックに使えるばかりでなく、著名なマーケット・アナリストの年初のコメントと予想水準に矛盾がないかどうかのチェックにも使える。

 私の年初のイメージは、平均1ないし平均2であった。

結果的に、現在のところ、海外市場も含めて、108.99円(5月)~119.84円(10月)が今年のレンジである。

ドルの高値が「平均2」、ドルの安値は「平均5」に近かったということだ。そう、ほとんど動きのない年だったということだ。
あと2ヶ月ほどで、来年用の表を作成することとなる。

<ファンダメンタル>ドル円 ~今年の材料

 この半年間、何を材料としてマーケットが動いてきたかを整理しておくことは有効である。それらを整理すると、さまざまなことがわかる。

 主として、ドル高(円安)材料は、米国の金利、日米欧の金利差で、他に、中東緊迫化や北朝鮮問題があり、ドル安(円高)材料としては、日米の金融政策の変更、米国の経常赤字があったことがわかる。
 しかし、米国の経常赤字などは、ドルが下落するときに囃されるだけで、マーケットは材料を「後から探す」ということがよくわかる動きもあった。
 よくよく見ると、教科書的な動きをしていないことにも気づく。たとえば、「6月28~29日、FOMCで利上げ。ただし、0.25%、声明文はさらなる利上げを示唆せず」というニュースでは、ドルが下がっている。これは、事前の予測とのギャップが大事だということとともに、また、今後の動きを考えたときに、材料の括弧書きの後半部分、つまり、「ただし、0.25%」に反応したということがわかる。
 マーケットでの材料への反応は、そのときのポジションしだいでもあるわけだ。9月21日の「9月のフィラデルフィア連銀指数がマイナス0.4(予想14.3)」のニュースの後の動きも興味深い。初動は、「年明けからFRBの金融政策が利下げに転じるとの見方」からドルが下がったが、「景気が持ち直すとの見方を背景に、ニューヨーク・ダウが一時史上最高値」となると、それに歩調を合わせてドル高となる。つまり、他のマーケットの様子をうかがったということだ。

 さて、今後であるが、主として、米国の景気、米国の金利、金融政策・通貨政策の変更、日米欧の金利差が引き続き材料視されることとなろう。
ファンダメンタルから考えると、ドルはサポート材料のほうが多いように思われる。

以上

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2006年11月10日 19:00に投稿されたエントリーのページです。

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