2006年11月30日
ドル・円相場は1ドル=117~118円台での小動き商状が続いた後、一気に下放れて下落していった。ユーロ高圧力が強まるなか、ヘッジファンドが米国でサンクスギビング・デー(感謝祭)を控えてそれまで積極的に行っていた円キャリー取引の手仕舞いに動いたことからドル全面安商状になっているものだ。ただ、日本からの外債投資が毎月1兆円程度のペースで出ているため、対円については対ユーロほどの下げが回避されている状況だ。
ユーロ高圧力が強まっているのは、ここにきてECBの利上げ圧力がさらに強まっているためだ。もとよりECBにはインフレ圧力に対する警戒感が強いなかで、最近ではドイツを中心に良好な経済指標が発表されていることから、ここにきてさらに0.5%分もの利上げが行われるとの見方が強まっている。さしあたり、12月7日の理事会まではユーロ高主導でドル安圧力が強い状態が続く可能性が高いのではないか。それによりドル・円相場も下落圧力が強いため、目先114円をも割って7月10日前後の113円台の安値まで下値を見ておく必要がありそうだ。しかし、この水準をも割り込むと、4月21~22日のワシントンでの先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議の開催を機に急落した際の5月17日の109円割れまで下がることもあり得るかもしれない。
その後の展開については、例年、年末にかけての時期には閑散な商いとなることが多いなか、ドルが強含む傾向があることもあり、それほどドル安圧力が強まるとは見ていない。しかし、年明け以降になると日銀の追加利上げが現実味を帯びてくる一方、米国ではFRBの多くの関係者がインフレ懸念に留意しているものの、それでも実体経済の状況によっては利下げに動く可能性が出てくるため、軟調な展開になりやすくなるのではないか。とくに年度末にかけては2月頃を中心に日本への資金還流の動きが強まる傾向にあるとの観測から、円高・ドル安に向かいやすくなると予想される。ただし、米国経済の焦点となっている住宅セクターについては、10年国債利回りで4.6%程度で推移しているなど長期金利が低水準で安定的に推移しているためにそれほど大きく落ち込むことはないと思われることから、実体経済は07年4-6月期ごろまでにはいったん底入れするのではないか。それにより年後半には米国経済が再拡大に向かうとの期待が出てくれば、中国をはじめ世界的に賃金が上昇傾向にあることもあってインフレ期待が強まる可能性があるため、FRBは利上げをうかがうことになるかもしれない。それにより、ドル・円相場は修正高局面を迎えると予想している。(11月27日、談)






