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小瀬正毅――フィスコ 為替・債券担当アナリスト

2007年1月11日

 ドル・円相場は12月6日に1ドル=114円44銭まで下落し、06年5月17日の108円97銭から10月13日の119円88銭までの半値押しを達成した。それからいったん118円割れまで下押したが、その後年明け1月3日に119円68銭に上げた後、足元ではまた119円台を試す動きとなっている。もっとも、さらに上げていけないようだと119円台の水準が上値抵抗と意識されてしまうだろう。さらには、05年12月5日の121円40銭を起点として、前記の10月13日やそれ以降の119円台の高値を結ぶトレンド・ラインが形成されてしまうため、上値の重さが再認識されるようになるかもしれない。

 目先的には、やはり17~18日の日銀での金融政策決定会合で追加利上げが決定されるかどうかが注目され、それを見極めるまではそれほど大きな動きは見込めそうもない。さしあたり、読売新聞で追加利上げを示唆する内容の記事が出たことで円高に振れたことがあったが、足元の動きを見ると再びそうした観測が後退しているようであり、ヘッジファンドによる円キャリー取引が活発化しているようだ。このため、実際に会合で利上げが決定されなくてもそれほど円安に振れることはないと思われ、119円台の水準では上値を抑えられてしまうだろう。そもそも、日銀内部では福井総裁が12月中旬ごろから急速に利上げに消極的な姿勢を見せるようになったが、総裁を含めて日銀審議委員の多くは“本音”としては利上げの推進に意欲的とみられており、ましてや、このまま円安が進むのを快く思っていないようだ。日米政府間でも目下のところ為替問題への関心が薄いために日銀の意向が通りやすくなっていると思われ、そうした面からも大幅に円安が進行する可能性は低いといえる。
 他方、米国では足元ではこのところ経済指標が強気の内容を示唆する発表が相次いだことからFRBの利下げ観測が後退しているが、景気自体は確実に減速しており、基本的には強弱入り混じった指標が続く流れは変わっていないはずだ。実際、クリスマス商戦の消費状況はそれほど思わしくなかったようであり、12月の消費関連の指標が発表されてくると利下げ観測が再燃してくるのではないか。FRB関係者の多くはインフレ懸念が根強いようだが、政策決定にあたり重要なカギを握るバーナンキ議長は景気重視(ハト派)的な姿勢が強いようであり、このところ原油価格が低迷していることもあり、3月ごろには実際に利下げに踏み切ると見ている。米国経済については住宅バブルが崩壊し始めているとはいえ、長期金利が10年国債利回りベースで4%台半ばで推移しているため、やがて本格的に崩壊していくとしてもいったんソフトランディングにとどまりそうだ。とはいえ、これまでの例を見ると、実際に政策姿勢が転換すると最低3回はそれが続いたものであるため、その後も四半期ごとに1回のペースで利下げが行われていくとすれば、7-9月期までは緩和的な金融政策が続く可能性が高いだろう。
 だとすれば、日銀としては1月中に追加利上げを実施できなくても1-3月期中には動くと思われるが、FRBが利下げに動く前の方が実施しやすいとすれば2月に踏み切る可能性が高いのではないか。国内事情を考えても、できるだけ年度末を避けるとすればその方が好ましいことになる。また、この時期は例年、年度末を控えた決算上の要因や米国債の償還に絡んで日本への資金還流が出やすくなる傾向があるため、ドル・円相場は下げやすくなるのではないか。さしあたり、119円台半ばの水準をレンジ上限として117円付近に下げていくと見ているが、これを下回ると12月6日の114円44銭が視野に入ってくることになりそうだ。(1月10日、談)

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