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小瀬正毅――フィスコ 為替・債券担当アナリスト

3月29日
小瀬正毅

 ドル・円相場は2月27日に上海市場を発端とした世界同時株価急落現象とともに円キャリー取引の巻き戻しから急落した後、1ドル=118円台前半まで戻してきたが、チャートを見るとその上には強力な上値抵抗が見受けられ、さらに一段高を目指すような動きにはなりにくいだろう。ヘッジファンドがキャリー取引の解消に動いた際には、国内個人投資家による外貨預金や投信を通じた外債投資、為替証拠金取引に絡む強烈なドル買いが下支え要因となった。こうした動きを見てヘッジファンドは様子見姿勢に転じたことで、個人投資家によるドル買いから戻してきたものだ。ただし、ヘッジファンドの多くは米財務省をはじめ主要各国の通貨当局と提携して動いていることが多いだけに、国内個人投資家を主力とする買い方は圧倒的に不利である。このため、チャート上で上値抵抗が認められることもあわせ、さらに上昇して119円を経て120円台に乗せていくような動きになることは考えにくいだろう。

 足元では米国経済の減速傾向が再認識されていることで、FRBが利下げに動くとの観測が圧迫要因となっており、株価が急落したことでよけいにそうした見方が助長されている。もっとも、世界的に賃金が上昇傾向にあることや、米国経済の潜在成長率が低下傾向にあるなかで国際商品市況が高騰していることから、実際には意外にインフレ懸念が根強い状態にあるのではないか。ただし、利下げをしないことでドル買い要因になるわけではなく、むしろインフレと不況が同時進行するスタグフレーションに陥ることで、投機資金はそれを嫌気して米金融市場から逃避していくような気がしている。
 他方、日銀の追加利上げについては、7月の参院選が終わるまでは実施できないとの見方が支配的となっている。しかし、本来的に日銀は金利政策の正常化を求めているのであり、足元の物価動向や実体経済での家計の景況感が好転するかどうかは政策変更の“名分”に過ぎないため、きっかけさえあれば利上げを推進していく姿勢に変化はないのではないか。少なくとも、福井総裁が退任する来年3月末までは最低1回は利上げを決めるとの見方が支配的となっているが、それより多く実施することもあり得ると見ている。無論、FRBがインフレ警戒姿勢から利下げに動かないと、それだけ利上げを実施しやすくなることはいうまでもないことだ。
 こうしたことから、ドル・円相場は当面は動きにくい展開になると思われるが、やがてレンジを下放れて急落するのではないか。下げだすと115円台で個人投資家の強力な買い物が下支え要因になるだろうが、これを下回ると一転してある程度の投げが出てくると思われる。110円の下値抵抗をも割り込むと一段と投げに拍車がかかってしまい、さらに下値を追う展開になると予想している。(3月26日、談)

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2007年03月27日 12:23に投稿されたエントリーのページです。

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