5月3日
林 康史
最近、地球温暖化問題がメディアで取り上げられることが多い。先日も、テレビで、アラル海が干上がっている等々の報道番組が放送されていた。
私は、気象学者でも海洋学者でもないから、地球温暖化がトレンドなのか、単なる循環なのか、よくわからない。
実は、大学生のとき、探検部に属していて、アンデスにいたことがある。もう30年ほども前のことだ。それから、15年がすぎて、会社を2、3週間休んで、学生のころに世話になったアンデスのインディオを訪ねたことがあった。かつて、アンデス高原に、ポーポ湖という大きな湖(アラル海ほどではないが、香川県よりも広かったと記憶する)があったのだが、そこが干上がっていると聞いたからだ。私がお世話になったインディオも、家族は島を離れていた。もちろん、すでに島ではない。丘にすぎず(といっても、標高は3800メートル以上もあるのだが)、周りは、ただただ白く塩をふいた、かつての湖底が茫漠と広がっているだけだった。
しかし、私の学生時代の日誌には、「今から45年ほども前は、この湖は干上がっていた」とある。つまり、60年のサイクルで湖底が姿を見せているのである。
景気循環のコンドラチェフの波は、今では、技術革新によると言われるが、コンドラチェフ自身は、それは農作物の収穫の波によるものであり、つまり、気候の変動なのだと考えていたという。
もし、そうであるなら、現在の地球温暖化も、トレンドなのではなく、サイクルなのかもしれない、と思う。
もちろん、トレンドだと考えて対応しないことには、まずい事態になってしまう危険性が高い。
※ ※ ※
これは、実は、相場でも同じである。
アゲンストに振られているとき(買ってのち下がっている、売ってのち上がっている)、それが単なるサイクルなのであれば、我慢していればいいということになる。ただし、トレンドなのであれば、ひどい目にあう。
「トレンド」という言葉は定義されないで使われることが多いが、基本知識として知っておいていただきたいことがある。
チャールズ。ダウの考えた「トレンド」は、長期の主要波動、その反動(訂正)としての二次波動、それらの下位に位置づけられる短期トレンドである。
長期トレンドは1年以上数年にわたるもので、訂正トレンドは長期トレンドの3分の1~3分の2程度の期間で、数ヶ月程度のものとなる。
これがダウが考えた「トレンド」である。もちろん、下位の短期トレンドはもっと短いことも考えられるのだが、マーケット関係者の使う「トレンド」は短すぎることが多い。
それはさておき。
運用ルール、あるいは、運用の巧拙という観点から考えれば、トレンドかサイクルかがわからないときには、トレンドに逆に入っていることの危険性を認識すべきだということになる。
もちろん、もう少し我慢していればよかった……ということも多いだろうるしかし、それは結果論にすぎないのである。
以上
ウェブの編集担当から……
4月27日、林康史先生の監訳で、ジム・ロジャーズ氏の新刊が日本経済新聞出版社から出版されました。
『人生と投資で成功するために娘に贈る12の言葉』(ジム・ロジャーズ 著、林康史 監訳)。
ジム・ロジャーズの本の第4弾です。まだ幼い娘に伝えたい、人生で大切なこと、投資で大切なことを平易な文章で述べています。人生でも投資でも、「自立して考える」「疑問を持つ」ということが大切だとジムは説いています。ジムの考え方を知ることができ、初心者からプロ級の人まで、読むべき本だろうと思います。

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