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芥田知至――三菱UFJリサーチ&コンサルティング 調査部 主任研究員

 ドル・円相場は1月29日の1ドル=122円20銭を上抜くことができず、上値の重さが確認されたことから、目先的には調整局面となりそうだが、下値についても120円前後とそれほど大きな動きは見込みにくい。

 これまでは市場では米利下げ観測が強かったが、次第に薄れつつあり、やがて利上げ観測を織り込むようになることもあり得るだろう。米国経済は1-3月期の実質GDP成長率が前期比年率1.3%と極めて低い伸びとなり、今後、修正値が発表されてくるにつれてさらに下方修正されていきそうだ。しかし、これまでは自動車産業の不振を映して製造業の景況感が思わしくない状態が続いたが、先行指数である新規受注の動きを見ると在庫調整が終わった可能性がある。それにより、実質成長率は4-6月期には2%台に、7-9月期には潜在成長率を上回る3%台に高まると思われ、順当にいけば、10-12月期には翌08年の主要テーマとなり得るインフレ懸念に市場の関心がシフトしていくのではないか。中国を中心に世界的に人件費が高まりつつあることや、ブッシュ政権がレームダック化するなかで米国議会の保護主義的な動きにより人民元切り上げ観測が強まることが、インフレ懸念につながる可能性もある。
 他方、日銀の金融政策については、今年に入り7月に参院選が行われる以前の4-6月期にも追加利上げに動くといった見方が高まったが、足元では実体経済が鈍化してきたことから、6月までに実施される可能性はなくなったと見ていいだろう。前述したよう、米国では10-12月期になるとインフレ懸念が出てくることで利上げ観測が高まると思われることから、そのころには追加利上げに動きやすくなるのではないか。ただ、マーケットでは半年強に1回程度の割合で利上げが実施されるのを織り込んでいるため、そうしたペースで利上げが実施されても、実際の利上げの実施が為替市場に及ぼす影響は軽微なものにとどまるのではないか。いずれにせよ、ドル・円相場は将来的にもそれほど大きな動きは期待薄だろう。
 他方、ユーロ相場については、ECBがさらに利上げを推進していくのを背景にしばらくは上がりやすい状況が続くのではないか。いまのところ、市場では利上げを2回ほど織り込んでいるが、さらに次の利上げを織り込む動きが続くと見ている。今秋にかけて対ドルでは1ユーロ=1.4ドル前後に、対円でも175円程度まで上昇してもおかしくないのではないか。(5月29日 談)

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2007年05月31日 09:06に投稿されたエントリーのページです。

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