2007年10月4日
立正大学経済学部 教授 林 康史
ドル円相場は、少し落ち着きを取り戻している。サブプライム問題は、まだまだ片がつかないという見方もあるが、私は、何とか乗り切れるのだろうと考えている。私見では、結論、1980年代のS&L問題のときと同様で、過ぎ去ってしまえば、どうと言うことのなかった話だという位置づけになるのだと思う。
史上最大の「持ち家」ブームの米国では、信用力の低い個人も、サブプライムローンで自宅を持とうとし、昨年末で1兆3000億ドルの残高となった。これは、住宅ローン全体の14%を占める。もともとサブプライムローンの延滞率は10%程度であったが、これが上昇したことから問題視されるようになった。
そもそも2~3年が低金利の固定で、その後変動になるのだが、現在のような金利水準では返せなくなる人が増加する見込み。サブプライムローンの損失は1000億(2000億という説もある)ドルほどと考えられ、米国のGDPから考えると、1%ほどだから、耐えられないほどの話ではない(S&Lのとき、不良債権比率は、GDPの2%。株価は1割弱下落)。
ある資産によると、サブプライムローンの不良債権化は、金利を0.375%下げれば、処理できるという見方もあった。
FRBは、0.5%の利下げを行ったのは、今のところ正しかったようだ。
一方で、インフレ懸念は高まる。米国政府は、自ずと、弱いドル政策を採るわけにはいかないだろう。
基本的な見方は変わっていない。今回は米国株・日本株ともに、9-10月に底入れ、ドルも同様ではないかと考えている。ドル金利が下がっても、円金利も下げられず、また、米国株式も底入れするのであれば、ますますドルは下げ渋る展開になると見る。ただし、ドル円の10ヶ月サイクルは冬にドルの次の底が来ることになっている。
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ピボットの作り方・見方
今回は、ピボットの作成方法・見方について述べます。(『基礎から学ぶデイトレード』より) ピボット(Pivot)は、ここまで下がったら買い、ここまで上がったら売りという、逆張りのためのテクニカル指標です。トレンドが明確なときもそうでないときも有効です。また、損切りのポイントも用意されているので、予期せずにトレンドが発生したときにも対処できます。発想は非常に単純ですが、実践の取引ではかなり使えるツールです。
ピボットの目的は、そのときのマーケットの潜在的なテクニカル・ポイントを割り出すことだと考えられます。そのときのマーケットの勢いが強いのか弱いのか、また、目先のテクニカル・ポイントがどこになるのかを探るのです。おもにイントラデイ・トレードで使う技法で、基本的に値幅を重視しますが、値動きの速度や勢いを用いて取り引きするとも考えられます。
ピボットとは旋回とか回転する軸を意味する言葉で、ピボット・ポイント(高値・安値・終値の平均値)を中心に、ある値幅を回転させてその他のポイントを割り出します。開発者のワイルダーは、ピボットのことをリアクション・トレンド・システムと呼びました。マーケットがリアクション・モード(トレンドのない局面)にある限りは「下落したら買い、上昇したら売り」というスタンスでよいが、トレンド・モード(トレンドが発生している局面)に突入した場合はポジションをクローズしなければならないという意味です。
現在のように情報通信機器が普及していなかった時代には、東京市場の始値が前日のニューヨーク市場の高値・安値の中間値より上か下かで取引していたディーラーもいました(現在でもシカゴのローカルズなどがよく使っているようです)。これなどもピボットと同様の発想に基づくものでしょう。
私も東京市場のみが休場のときなど、家にいながら簡便にテクニカル・ポイントを知るために、ピボットを計算することがあります。不思議に思われるかもしれませんが、シドニー市場・香港市場・シンガポール市場での高値・安値などが、ピボットから算定された価格と一致することが多いのです。つまり、このピボットから得た数値と、さまざまなチャートを読んで割り出したテクニカル・ポイントがほぼ一致することは日常的に経験することです。手許にチャートなどのデータがないときの代用となるばかりか、ピボットだけでもそれなりの分析が可能です。
●ピボットの計算方法

(『基礎から学ぶデイトレード』133ページより)
ピボットの各ポイントの算出方法は図の通りです。その基本となるピボット・ポイント(P)は前日の終値(C)・高値(H)・安値(L)の平均値で設定されます。前日のピボット・ポイント(P)を中心にして、上値に売りのポイント(S1、S2)と損切りのポイント(HBOP)があり、下値に買いのポイント(B1、B2)と損切りのポイント(LBOP)があります。
基本的にはこれら6つのポイントを目先のテクニカル・ポイントとみなします。ピボット・ポイント自体も、その日の始値より上にあるか下にあるかによって、支持・抵抗のいずれのポイントにもなり得ます。さらに言えば、前日の高値と安値もピボットのテクニカル・ポイントに加えてもよいかもしれません。
各ポイントの使い方は次のようなものです。
その日の価格がB1まで下がれば買い、さらにB2まで下がればまた買いますが、そのままLBOPを割り込んでしまえば、その時点で損切りして手仕舞います。売りの場合も同様に、S1とS2で売って、HBOPで手仕舞いです。
前日に大きな動きをしていると、Pから各ポイントまでの値幅が大きくなります。つまり、前日のボラティリティを反映するのがピボットの大きな特徴なのです。実際、短期の値動きを観察してみると、保合になっているときには値動きの小さな日が続きますし、大きく動いた日の翌日には値動きが激しくなる傾向がありますから、ピボットの各ポイントはなかなか妥当な価格水準を示しているように思えます。例えば、大きく下げた日の翌日に、始値で少し下がったからといって買うのは(どこまで下がるかわからないので)間違いであることが多いものです。しかし、そのような日にはB1やB2はかなり離れたところにありますから、ピボットでは引きつけてから買うことができます。反対に、前日にほとんど動いていない日には、少し下がっただけで買ってよいことが多く、実際にB1やB2は近いところにあります。また、そういう日に上か下に大きく動き出したときには、HBOPやLBOPがPからあまり離れていませんから、(きちんと損切りすれば)大きな損を出すことはありません。
ただ単にピボットだけに従うのであれば、その日の値動き次第で、買うことになったり売ることになったりします。前述のように、ピボットをDMIやボラティリティ・システムと組み合わせて使うなら、例えばDMIで上昇トレンドが確認され、ボラティリティ・システムがロング(買い)になっていれば、その日は買いからしか入らない、と決めればよいのです。つまり、価格がB1やB2まで下がれば買うけれどもS1やS2まで上がっても売らない、あるいは、S2は売るけれどもS1は見送るということでもよいでしょう。
このように、どのシグナルに従って、どのシグナルには従わないのかといったことは、比較的自由に設計・修正してもよいのです。例えば、その日はどうしても買いたいのであれば、始値で少し上がった後にPで買ってもよいわけです。それは自分のルールをどう決めるかという問題で、決めたルールの中で判断していけばよいと思います。
ただし、HBOPやLBOPの損切りポイントは絶対です。価格がこの水準をブレイクしたら必ず反対売買しなくてはいけません。これらは、(自分が持っているポジションと反対の)トレンドが発生したことを意味するブレイク・ポイントなので、損切りが遅れると大きな損失を出す危険性が高まるとみなします。 場合によってはHBOPやLBOPの手前で損切るという考え方もあるかもしれませんが、それでは損切りが早過ぎて勝率が下がることになります。仮にHBOPやLBOPまでポジションを持ち続けたら損失の許容範囲を超えてしまうのなら、それはポジションが大き過ぎるわけですから、1回当たりのポジションを小さくすればよいのです。特に、大きく動いた翌日は損切りまでの値幅が広がりますから、それに合わせてポジションを小さくする必要が出てきます。あるいは、B1は買わずにB2で買うというルールにすればよいかもしれません。
利食いのポイントも決めておかなければなりませんが、これは損切りに比べるとより自由に決めることができます。例えば、B1で買ったときにはS1で売り、B2で買ったときにはS2で売るとか、あるいは値動きが小さい局面ではPを使ってもよいと思います。あるいは、クローズで手仕舞うと決めてもよいでしょう。
利食いとも関連しますが、ピボットで売買したポジションをその後どうするのかという、時間に関するルールも必要です。B1やB2で買ったポジションをその日のうちに必ず手仕舞うことにするのか、それとも翌日まではそのまま持っていてもよいことにするのか、といったこともルールとして自分で決めておくべきです。そうした判断は、マーケット動向ばかりでなく、自分の資産とポジションの大きさによっても違ってきます。
以上






