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日本銀行旧小樽支店金融資料館

2007年11月01日
立正大学経済学部 教授 林 康史

最近、外国為替証拠金取引の業者からセミナー講師の依頼が増えてきている。法制度の変更によるものだろうが、マーケットがいっそう活発化していることの証拠でもあろう。
先日、札幌での講演会のついでに小樽まで足を伸ばしてきた。途中は、少しだけ盛りは過ぎた感じだが、それでも全山紅葉という言葉がぴったりだった。
小樽を訪れたのは日銀の小樽支店を訪れるため。といっても今はすでに支店ではなく、金融資料館になっている(現在、北海道内の支店は、札幌・函館・釧路の3つ。ちなみに、本店の貨幣博物館以外には資料館があるのは、国内で小樽だけ)。

仕事柄か、あちこちに行った際には、仕事時間の合間をぬって金融資料館や貨幣博物館に行くことが多い。韓国のソウルの博物館は、当然ながら、かつての中央銀行の本店が博物館になっていて、実は、その建物は、日本の占領時代の朝鮮銀行の建物だ。敗戦後、旧朝鮮銀行の残余財産を基に、不動産抵当貸付に主眼を置いた銀行として、日本不動産銀行が設立されるのだが、それが、日本債券信用銀行になり、破綻後、あおぞら銀行になる。私は、あおぞら銀行に勤めたこともあり、韓国の博物館の前で、なんだか親しみを覚えたことを思い出した。

小樽をはじめて訪れたのは30年ほども前であるが、観光客を呼び込もうと歴史的建造物群を整備するなど、ずいぶんと変わっている。日本銀行旧小樽支店金融資料館は、そうした街の一画にある。かつて、小樽の銀行の支店数は19あり、函館の16、札幌の10を上回っていて、「北のウォール街」といわれたほど、金融のセンターだった。
建物自体は、ルネッサンス様式というのか、レンガ造りの2階建てで、街の雰囲気になじんでいる。設計は東京駅や日銀本店を設計した辰野金吾とその弟子たちだ。
内部は、観光客をねらって展示が行われている。日銀本店には、貨幣博物館があり、それと比較すべきではないが、実物の貨幣の展示がないこと等は残念だが、それ以外は、こじんまりとした、わかりやすい展示となっている。ちなみに、本店の貨幣博物館は、ぜひ、見学をお勧めする。私も大学の1年生を引率して訪問したりする。ヤップ島の石貨や第二次世界大戦終結直前に試作された陶貨(瀬戸物でつくられた硬貨)が展示されている)小樽の資料館では、往時の小樽の金融街の縮小模型や、金庫の内部が再現されていて、結構、楽しめる。これは本店と同じであるが、1億円の束を持ち上げて重さを体感できるようにもなっている(当然ながら、本物の札と同じ質の紙の束が1億円分というだけであり、現物ではない。それでも、持ち出せないように箱に入っているのだが)。
業務に関する展示もあって、日銀券の発行、物価の安定、金融システムの安定といった事柄がパネル等で展示されている。

平日にもかかわらず、意外に見学客は多かった。
小樽を訪れたら、ガラスやオルゴールを見てまわるのもよいが、日銀旧小樽支店にも足を伸ばされるとよいと思う。

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ドル円のサイクル

いつも書いていることなので、詳細は省くが、現状のドル円のサイクルについて書いておきたい。
ドル円には、10ヶ月±2ヶ月のサイクルがあるが、2006年5月のドルの底から、先の9月までで16ヶ月が過ぎている。この16ヶ月の間に、2006年12月、2007年3月にドルの小底がある。期間を数えると、2006年5月から、7ヶ月、3ヶ月、6ヶ月の間隔でドルは底となっている。つまり、2006年12月、2007年3月のどちらをドルの10ヶ月サイクルの底と見るかは難しいが、(7+3)+6=16ヶ月か、7+(3+6)=16ヶ月か、となるのかもしれない。しかし、季節性からは、次の1月近辺でドルは底になる可能性も捨てがたい。仮に、2008年1月に底になるとすると、2006年5月から、(7+3)+(6+4)=10ヶ月×2、ということになるのかもしれない。
現在のところ、11月~1月の間にドルの底が形成されると考えているが、9月と似た水準で終わることが考えやすい。あるいは、9月の底よりも低くはならないのかもしれない。
注意深く、買い場探しというところだろうか。

                                              以上

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●お知らせ

★林康史先生は、11月11日の日本経済新聞、また、11月27日の日経CNBCに、出られる予定だそうです。いずれも、外国為替相場がテーマとのこと。ぜひ、ご覧ください。
★また、林先生の企画担当で、立正大学経済学部が、公開講座を開催しています。12月17日まで、毎週月曜日に、開催。11月12日のテーマは「投資信託」。(株)ソフィアバンク副代表の藤沢久美氏が講師をされます。詳細はここをご覧ください。
★同じく、12月2日(日)に立正大学経済学部ゼミナール大会が開催されます。その基調講演『音楽と相場と――芸術家の視点で捉えたマーケット変動』は田中雅氏です。詳細は立正大学経済学部事務室までお問い合わせください。
田中 雅 (たなか ただし) 氏:オランダTANAKA カレンシー・リスク・マネジメント代表取締役社長。東京藝術大学のチェロ科を首席で卒業、ドイツとオランダのオーケストラで主席チェリストとなる。44歳のとき、独学のトレーダーとしてデリバティブと通貨先物取引運用を始める。

編集室より

追記

林康史先生の『決定版 株価・為替が読めるチャート分析』が、日経ビジネス人文庫として刊行されました。もうすぐ、遅い書店でも11月の第2週までには店頭に並ぶと思います。定価743円。2000年発行の『株価が読める チャート分析入門』(かんき出版)を文庫化したものだそうですが、ずいぶんと増補されていますので、かんき版をすでに読んでいる人も再読されることをお勧めします。
今回の本文に出てくるサイクルや季節性についての記述も載っています。
なお、解説は認知科学の植田一博准教授(東京大学大学院総合文化研究科)。……(編集担当)
 
                                             編集室より


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2007年11月01日 12:13に投稿されたエントリーのページです。

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