ドル・円相場は11月26日に1ドル=107円21銭まで下落してから1ヵ月後の12月27日には114円66銭まで反発したが、その後再び1月4日には107円90銭まで下げた。11月上旬に115円前後の保合いを下放れて下げた際には113円前後に大きなギャップを形成したが、年末にかけて修正高となった時にこれをほぼ埋めたものの、また下落するあたり、テクニカル的な観点からは下向きの流れにある可能性が高いといえるだろう。
さしあたり、年明けを迎えたことで輸出企業が為替予約を入れる時期にさしかかるなかで、110円を超えると財務担当者の円買い・ドル売り予約がかなり出てくると思われることから、この水準を上回る状態が長期化することは考えにくい。その一方で、下がると個人投資家の外債投資が依然として根強く出てくるため、目先的には107~110円のレンジ内でもみ合う可能性がありそうだ。
とはいえ、外部環境は明らかにドルにとって不利な状況だ。米国ではサブプライム問題がくすぶっており、近く格付け機関が同ローンを組み込んだ証券化商品の三度目となる格下げに動いておかしくなく、それにより再び大手金融機関が大幅な損失計上に動くことを余儀なくされる恐れが高そうだ。しかも、間もなく同ローンの借り手に対しては、支払い金利が低利で優遇された固定金利から変動金利にリセットされることでかなり上がってしまい、焦げ付きが激増することで、延滞率が急上昇することが危惧されている。さらには実体経済への影響も深刻になりつつあり、住宅価格や株価の下落による資産効果の剥落やガソリン価格の高騰もあいまってクリスマス商戦が低調であることが伝えられているなど、個人消費が落ち込みつつある。それにより政策当局はさらに抜本的な対策を打ち出すことが求められているが、政府にはそれほど有効な対策を望めないため、いきおい金融政策に期待が集まっている。30~31日のFOMCでは追加利下げに動くことが既定路線になっているが、ここにきて、一部では一気に0.5%もの引き下げに動くといった見方すら出ているほどだ。
こうした状況では、当面はレンジ内での動きが続いても、やがてFOMCの会合が近づくにつれてレンジ下限を割り込んでいっておかしくない。しかも、2月になると時期的に決算期を控えて資金が日本に還流しやすくなるが、今回は本邦金融機関の間でもそれなりにサブプライム関連の金融商品で焦げ付きを出していると想定されるため、例年に比べると還流の規模が大きくなると想定されることも円高圧力を強めることになるのではないか。個人投資家が根強く外債買いを続けていることで下支えられているとはいえ、これまでの急激な円高からかなり痛手を負っている向きが多いようであり、明らかに以前に比べるとその勢いが弱体化しているため、下げ圧力が強まるとそれに抗することは難しそうだ。それによりレンジを下放れると下げに拍車がかかることが予想されるが、下値については99年11月・00年1月や03年1月の101円台まで節目らしい節目が見当たらないため、一気にそこまで下げていくことも考えられるだろう。(1月8日、談)






