日本銀行貨幣博物館
2008年02月07日
立正大学経済学部 教授 林 康史
昨年末、貨幣博物館を訪れた。日本銀行金融研究所貨幣博物館は、ときどきゼミの学生らといっしょに見学することがある。現在、「貨幣誕生―和同開珎の時代とくらし―」という企画展を開催している(3月9日まで)。
今年は、和同開珎(わどうかいちん。「わどうかいほう」とする説もある)銀銭、銅銭が発行されて、ちょうど1300年目にあたる……とパンフにもあって、和同開珎がわが国最初の貨幣であるなら、「貨幣誕生=和同開珎」だが、しかし、これは変だろう。1998年の奈良・飛鳥池遺跡の発掘調査で、「富本銭(ふほんせん)」が7世紀後半に鋳造されていたことが明らかになっているし、それ以前にも無文銀銭(むもんぎんせん。定量の銀の地金)が発行されていたわけだから、この企画展のタイトルは、ミスリードさせるものだろう。なぜ、そんなタイトルにしたのか、単純に疑問だ。






