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米国はリセッションなのか?

03月27日
板垣哲史

 米国に端を発したサブプライム問題の影響を受けて、米国経済の先行きに以前不安が募っているが、今後、どうなるかについては、全ての国々にとって極めて関心の深いことである。
 一般に、経済成長の高い国の通貨は、強くなり、経済成長率が下がっていたり、マイナスに落ち込んでいると判断されると弱くなる傾向がある。また経済状況がそこそこならば、より金利の高い通貨が買われやすくなる。こうした意味で米国経済の先行きに対する懸念が、今、市場の動向を支配し、揺れ動きながらドル安のトレンドが続いている。

 米国経済状況がリセッションに落ちいったのではないか、という疑念があるが、そもそもリセッション(景気後退)とは、国内総生産(GDP)の減少など、経済活動が不振になることで、通常の景気循環内での穏やかな減衰期を意味する。米国では、具体的数値として実質国内総生産(GDP)が、2期以上、連続してマイナスの成長率となることを言う。米国連邦準備銀行(FED)としては、2007年第3四半期のGDPが前期比年率プラス0.6パーセントであり、まだGDPはマイナスでない事から、リセッションの認識はなく、この1-3月期のGDPの成長率が4月に発表されたとき、マイナス成長が確認されるといよいよ本格的に対応策が講じられることになろう。
 また、米サプライマネジメント協会(Institute for Supply Management)が発表する米国のISM製造業景気動向指数においては、50が景況感の分かれ目で、この数値が高いと、アメリカの景気が好調であるといわれ、41.1まで落ちるとリセッションと定義づけられる。今年1月発表のISM製造業景気動向指数は、42.7まで下げ、1月の米公定歩合が3パーセントまで一挙に下げた誘引となったが、2月発表のISM製造業景気動向指数は、48.3まで戻したことにより、為替もその後、乱高下した。
 本格的リセッションは、これから始まる可能性が高いということになるが、言い換えるなら、まだまだリセッションに突入しているわけではない。 
 さて、もっと深刻な景気停滞の状況をディプレッション(不況)というが、これは、リセッション状態が長引き、マイナス成長が3期以上続き、長期化し、好景気と好景気の間の深い谷間が長く続くことをいい、この状況になったら、サブプライム問題もさらに深刻化することから、経済評論家たちも、口に出した時の影響を恐れて、この言葉を出すのは慎重である。さらに言葉の問題だが、景気停滞下での不況は、スタグネーションといい、現在のように、原油価格、商品価格が高騰し、インフレーションが進行しつつある中で、不況が続くことになった場合は、スタグフレーションというが、最近の米国の経済指標が悪化してきているのを受けて、原油、金の商品市況もやや下落に転じていることから、スタグフレーションは避けられそうだ。いずれにせよ、米国経済はリセッションの定義の一歩手前まで差し迫っていることは間違いない。
 ニューヨーカー誌の漫画家、シドニー・ハリスのウィットの利いた格言から引用すると、「あなたの隣人が失業したら、リセッション。あなたが失業したら、ディプレッション。」と、なるほど、言えて妙な定義をしている。余談になるが、ハリスには、こんな名言もある。『誰かが「生きるって難しい」と嘆くのを耳にしたら、いつも聞いてみたくなる。「何と比べて?」』
 あらためて、つくづく思うが、「経済の先行きを予測するのは難しい!」「何と比べて?」「為替の先行きを予測するのと比べて。」

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2008年03月27日 13:16に投稿されたエントリーのページです。

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