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嶌峰義清――第一生命経済研究所 経済調査部 主席研究員

 ドル・円相場は3月17日に1ドル=95円77銭まで下げたが、その後戻り歩調となり、4月3日には102円95銭まで上昇した。米金融機関の増資やFRBが住宅ローン担保証券(RMBS)を担保に融資に応じるなど当局による救済策が好感されたことや、4月29~30日のFOMCでの利下げが0.25%にとどまるとの見方が強まったことで、外国為替市場でドル安圧力が後退したためだ。また、11日のワシントンでの先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議での声明文の内容が、サブプライム問題による信用不安に対して国際的に協調姿勢を示す内容になるとの観測も支援要因になっていたようだ。

 とはいえ、これにより下降局面が終了したとはいえない。3月半ばにかけての下落局面は07年12月27日の114円66銭から始まっており、同月17日の安値までの下げ幅の38.2%戻した水準が103円程度となるので、テクニカル的な観点からもこの水準までの上昇は単なる修正高にとどまっておかしくない。すでにG7会議の開催を控えてドル買い戻しが進んでいるので、声明文の内容がよほど信用不安の克服に向けて踏み込んだものにならない限り、再び下げ始める可能性が高いだろう。しかも、4日に発表された3月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比8万人減少となり、1、2月も同7万6,000人減少に下方修正され、さらに失業率も5.1%に上昇するなど極端に悪い内容となったことで、米実体経済がかなり悪化していることが裏付けられている。さらに4月第3週になると米国では決算の発表が本格化することで企業業績の悪化が鮮明になってしまい、株価や社債市場が軟化する恐れがある。それにより、FRBは4月末に利下げに動くと予想されているが、引き下げ幅が0.5%になるといった見方が再燃しておかしくないため、もう一度90円台半ば付近まで下げていくのではないか。
 もっとも、5月以降になると1月末に決まった景気対策が施行されることで実体経済が浮揚してくることが期待される。しかも、チベット情勢で国際的に非難を浴びていることもあり、8月の北京五輪の開催を控えて中国が人民元の大幅な切り上げを見送ると思われ、それによりドル・円相場は夏場にかけて修正高となるのではないか。今回の下落局面は大勢的には07年6月22日の124円14銭から始まっているので、3月17日の安値までの61.8%戻すとすれば105円程度、半値戻しなら107円付近となる。実際、1月半ばから2月末にかけてはこの両者のレンジ内で推移していたので、この水準が戻りのメドになりそうだ。(4月8日、談)

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2008年04月09日 13:43に投稿されたエントリーのページです。

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